1999 Fiscal Year Annual Research Report
「個性」の体感的・生理的解明と実践的指針提示のための臨床的研究
Project/Area Number |
10871043
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
岡本 定男 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (90204031)
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Keywords | 「内臓感覚的感受性」 / 「個性」の生理的根拠 / 内臓モニターとしての背中 / 宇宙内臓的人体 |
Research Abstract |
今年度の「研究実施計画」は、(1)予備調査及び平成10年度調査を集約分析し、それを今日の悩・人体・認知・行動科学を含む関連科学の最新の知見とつき合わせ、発達差を中心とした「個性」の生理的根拠提示とその理論的構築を図る。(2)平成10年度調査における新たな作業仮説として見いだした「内臓感覚的仮説モニターとしての背中」のサンプル収集を中心に、上記調査をフィールド調査へと発展させる。(調査対象は、小学生と大学生であり、調査手段は、ビデオ撮影や聞き取り等による。)(3)仮説の敷衍的構築のため、「気」を含む各種の癒しや療法の現況、行動改善に関わる関連領域の専門家への聞き取りや資料収集を行う、の3点であった。実施者は今年度、総じてこれらを遂行できた。(1)に関しては、調査結果の集約分析を行い、子どもと青年「個性」に関わる生理的反応(実施者命名の「内臓感覚的感受性」)の発達差ほどには、成人との差がないことを確認し得た。ただ、当初の老人への調査拡大予定は、この結果とも勘案し、見合わせることにした。また、この項と関わる関連科学の最新の知見とのつき合わせに関しては、それらが、いわゆる「癒し」や治療と関わる方面に集中している嫌いはあるが、実施者の参考となった。(2)に関しては、一定のフィールド調査の進展をみた。但し、これを「背中」の主として視覚形態上の差と結びつけた「内臓感覚的感受性」との関連をみるためには、一層の調査が必要であることを自己確認した。(3)については、主として「気」や「催眠療法」「前世療法」といった癒しや療法に関する資料収集及び一部専門家への聞き取りを行った。一方、これらの研究の実践的ヒント及び検証を得るための実施者自身による「体感的教育」実践の成果を2冊の著書としてまとめ刊行できたことは、この研究の大きな成果であり産物であった。
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Research Products
(1 results)