1999 Fiscal Year Annual Research Report
デファクト・スタンダード競争と産業のダイナミズムに関する基礎的研究
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10873007
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
山崎 和郎 東北学院大学, 経済学部, 教授 (60048808)
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Keywords | デファクス・スタンダード / デファクス・スタンダード競争 / 産業のダイナミズム / マイクロソフト / 米司法省 / ネットスケープ / 収穫逓増 / フィードバック効果 |
Research Abstract |
平成12年度はデファクト・スタンダード競争が産業のダイナミズムおよび市場競争に与える影響を明らかにするために、次のような手順で分析が進められた。 1.[デファクト・スタンダード競争の事例研究]デファクト・スタンダード競争に関する従来の事例研究(キーボード配列、VTR、パソコンのOS、インターネット・ブラウザーなど)を参考にしながら、(1)パソコンのOSをめぐるMicrosoftの独占の問題(Microsoft vs.米司法省)(2)インターネット・ブラウザーをめぐるMicrosoftとNetscapeの競争、さらに(3)サーバー競争およびポータル競争などより広い範囲での競争など3点に絞り綿密な事例研究を行った。この事例は、デファクト・スタンダード競争のもつ特徴を浮き彫りにすることが主要な目的でもある。 2.[事例研究の結果の理論分析の視点からの考察]上の事例研究の検討結果を、収穫逓増現象、フィードバック効果、およびロック・インなどの視点から経済学的な検討を行った。さらに、デファクト・スタンダード競争を「規模の経済」、「範囲の経済」、「学習の効果」などの概念との関連で検討し、デファクト・スタンダード競争の「雪崩効果」を提案した。 3.以上の検討を踏まえて、今後、デファクト・スタンダード競争の経済学における位置づけを試みたい。 4.さらに、デファクト・スタンダード競争に関連するテーマの実験経済学的アプローチは、今後の課題としたい。
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