1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10873008
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
井上 雅雄 立教大学, 経済学部, 教授 (20151623)
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Keywords | 時間意識 / 時間管理 / 組織時間 / 家族時間 / 個人時間 / 余暇 / ホワイトカラー |
Research Abstract |
札幌と福岡を中心として20余名のホワイトカラー(男女)に対して聴き取り調査を実施した。その結果、次の諸点が明らかとなった。1.彼らの生活時間は、4つの時間にカテゴライズされる。会社での仕事に費やされる「組織時間」、通勤時間や会社の同僚・取引先との付き合いなど仕事関連時間としての「擬似組織時間」、それ以外の自宅等で過ごす「家族時間」および本人だけの「個人時間」がそれである。2.これら4つの時間がどのように配分され組み合わされるかを規定する基本的な条件は、性、年齢、職種、職位、仕事の内容、企業の時間管理、家族構成であるが、それとともに本人の時間に対する意識・態度が無視できない。3.会社では残業を含め労働時間の長さは重要ではなく、仕事の成果が考課の対象となっている。4.要員削減によって、時間管理の厳密化が図られており、効率的な仕事ぶりが問われるようになっている。5.総じて課長以上や支店長といった管理職は、その職につくまでは長時間労働の「会社人間」であったとの自己認識を持ち、その経験から意織的に率先して早く退社し、部下が帰りやすい状況をつくっている。6.平日勤務の帰宅後は、家族との団欒、TV鑑賞など身体を休めることが多い。7.休日は、スポーツ、ショッピング、美術鑑賞、散歩、など家族と行動をする場合とゴルフなど自己の固有の時間を享受する場合とに分かれる。8.女性は帰宅後は家事に費やされることが圧倒的で、「個人時間」はほとんどない。9.男性管理職から見て女性社員は時間通りに帰宅することが多い。
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