1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業におけるポスト・リーン生産システムについて
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10873014
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Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
信夫 千佳子 甲子園大学, 経営情報学部, 助教授 (90289009)
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Keywords | リーン生産システム / ライン・カンパニー制 / 自律性 / 適応性 / 柔軟性 / 統合性 / ジャスト・イン・タイム / 多様化 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、「リーン(贅肉を削ぎ落とした)生産システム」の進化について調査し研究した。堀場製作所では、「研究開発型企業におけるものづくりと改革の取り組み」、住友電気工業・関東製作所では、「ライン・カンパニー制による事業体質強化と人材育成」、日立金属・安来工場では、「YR運動による需要創造の取り組み」、島根富士通・本社工場では、「ノート型パソコンにおける実装技術の高度化・効率化とセル生産方式」、ローランド・都田工場では、「市場と運動した補充生産システムとセル生産システムの融合」、松下精工・春日井西事業部では、「レンジフードのコンベアシステムを用いたセル生産システム」、リンナイ・大口工場では、「市場ニーズに即応した生産システム構築の取り組み」、東陶機器・トイレシステム事業部では、「高度な技能と技術の融合した生産システム」、米沢NECでは、「パソコン製造におけるセル生産システムの取り組み」について調査した。 長引く不況の中で、製造企業は、市場ニーズの多様化・スピード化に対して多品種化や納期の短縮などに向く自律分散型の生産システムを構築することによって、受注量を確保しようとしている。また、右肩上がりの経済成長の停滞により、終身雇用や年功序列制の修正が迫られ、日本の競争優位を高めた小集団活動による改善活動の勢いがなくなって来た。このような状況下で、QCサークルよりも自律性を高め、業績を上げようとしているライン・カンパニー制についても研究してみた。従来から1つの組織のモデルとされてきた自主管理作業集団の形態を有しており、改善活動への意欲の向上、ラインとスタッフの効率的連携、生産部門内外の統合化へ向けての改善に有意義であるが、このような自主管理作業集団の編成が拡大するにつれて、必ずしもすべての作業者がこのような作業組織を望むとは限らないであろうから、多面的に検討する必要があると考える。
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Research Products
(1 results)