1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物の生長過程における情報生成とコミュニケーションに関する工学的研究
Project/Area Number |
10875060
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三輪 敬之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10103615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 智輝 早稲田大学, 理工学部, 助手 (40287991)
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Keywords | 植物 / 情報 / コミュニケーション / 電場 / 生長 / リズム運動 |
Research Abstract |
無中枢である植物のコミュニケーションにおける情報の生成、共有プロセスに関する知見を得るため、根と外界の界面に自己生成される電場や、器官先端部における生長リズム運動などに着目し、それらの変化挙動を様々な環境のもとで計測する。本年度はまず、電場の生成挙動と根の生長過程を同時に自動計測できるシステムの開発を行った。本システムは、2次元振動電極を適用して微弱な電場を捉え、生長に関しては根の周囲に設置されたCCDカメラより画像計測を行う。一方、3個体以上の幼苗集団において、個体の配置パターンや環境情報を動的に変化させた場合の、個々の根や茎の運動リズムを同時に調べることが可能な画像計測システムの開発も併せて行った。本システムは、最大3×3個の格子状に並べられた植物の3次元的な振る舞いを同時に計測することが可能で、また生育チャンバ上部に3軸移動装置を設け、これに植物把持用ハンドを装着することによって、計測途中で任意の根の配置位置を変えたり、また移動装置に局所光、音刺激装着することによって、集団の一部の環境情報を変えることが可能である。さらに、性能試験を兼ねて二、三の実験を行ったところ、電場に関しては、カイワレダイコン周辺に形成される電場パターンが生長とともに変化するばかりでなく、複数の根を並べた場合に、個々の根周辺に形成される電場パターンが隣の状況に応じて動的に変化しながら互いが衝突しないよう生長したことから、電場が各個体をつなぐ媒体として関わっている可能性があることを見出した。一方、運動リズムに関しては、エンドウ2個体を並べた場合では、両者のリズムに位相関係が存在したが、3個体に増やすと、2個体のリズムにコヒーレントな関係が生成される一方で、残りの1個体があまり活発なリズムを示さないなど、2個体に比べて複雑で多様な振る舞いを示すことを見出した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Miwa.Y, Yamashita.T, Kusihashi.Y: "Emergence and Share of Information through Communication" Proc.1998 IEEE International Conference on Systems, Man and Cybernetics. 3680-3684 (1998)