1999 Fiscal Year Annual Research Report
含水アルコール中におけるトリエチルボランを開始剤とする新規ラジカル反応の開拓
Project/Area Number |
10875178
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶌 幸一郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00111922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
忍久保 洋 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50281100)
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Keywords | 含水アルコール / 次亜リン酸 / ラジカル環化 |
Research Abstract |
ラジカル反応は、生体内の主反応であることからも理解できるように,空気・水といった有機化学の炭素-炭素結合生成反応における禁忌事項が,全く問題にならない。また,種々の選択性も,一般的な有機金属を用いるものと反応機構が異なるので,変化する。しかし,問題となるのは,何をラジカル供給源にするかである。スズヒドリドを用いるのが一般的ではあるが、毒性・価格を考えると,決して使用しやすいとはいえない。本年度,我々はラジカル源として次亜リン酸を使用することにした。 次亜リン酸は,有機溶媒に不溶で,水溶液として使用できる。しかし,有機物を溶解するため,溶媒系として含水エタノールを用い,6-ヨードアルケン,7-ヨードアルケン誘導体のラジカル環化反応を次亜リン酸を用いて試みた。ラジカル開始剤として種々検討した結果,AIBNが最も良い結果を与え5-exo環化,6-exo環化を効率良く行うことができた。本研究は,次亜リン酸を用いるので,生体反応のモデル反応とも考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Yorimitsu: "Radical Cyclization Reaction Using a Combination of Phosphoric Acid and a Base in Aqueous Ethanol"Chemistry Letters. 104-105 (1999)
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[Publications] T.Nakamura: "Reduction of Organic Halides with Tri-2-Furanylgermane : Stoichiometric and Caralytic reaction"Synlett. 1415-1416 (1999)