1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックス機構の発現からみた神経芽腫群腫瘍の予後
Project/Area Number |
10877280
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
久我 貴之 山口大学, 医学部, 助手 (00263781)
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Keywords | 神経芽腫 / 細胞外マトリックス / MMP / TIMP |
Research Abstract |
平成11年度は山口大学医学部附属病院で手術を施行した神経芽腫群腫瘍患者およびその家族に本研究を説明し、その同意を得た3症例に対して本研究を行った。内訳は左副腎原発の神経芽腫(Stage4S)2例、後縦隔原発の神経節腫(Stage3)1例であった。前者は既知の予後因子では予後良好群に属し、後者は病理組織学的に良性腫瘍の範疇に属する症例であった。 腫瘍組織中の蛋白分解酵素およびそのインヒビターの定量 腫瘍組織を採取し、組織を振盪粉砕した後、生理食塩水で10%組織検体を作製した。同検体を2000rpm、20分冷却遠心分離し、その上清を測定に使用した。測定は測定用キットを用い、サンドイッチEIA法で行われた。MMP(matrix metalloproteinase)-2に関して、神経芽腫の2例はそれぞれ15.4ng/mlおよび16.6ng/mlで、神経節腫例では13.8ng/mlであった。 MMP-9に関して、神経芽腫例は32.9ng/mlおよび25.2ng/mlで、神経節腫例は64.5ng/mlであった。TIMP(tissue inhibitor of metalloprotease)-2に関して、神経芽腫例は566ng/mlおよび636ng/mlで、神経節腫例では187ng/mlであった。症例数が少ないためその結論を述べることはできないが、組織学的に分化した群でMMP-9は高値、TIMP-2は低値の傾向であった。 今後、より多くの症例で検討するとともに、平成10年度に報告したタイプI型コラーゲンα2鎖の産生に関わるプロコラーゲンの発現を検討する予定である。
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