1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経節初代培養細胞とT細胞の共存培養とその機能解析
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10877358
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古野 忠秀 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (80254308)
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Keywords | 共存培養システム / 共焦点レーザー顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / T細胞 / 神経細胞 / 顕微光学法 / 初代培養神経細胞 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
免疫系と神経系は生体内の独立したシステムのように考えられてきた。しかし、免疫学や神経生物学の急速な進歩は、免疫系と神経系との間には密接な相互作用が存在し、生体の恒常性の維持に働いていると推察されるようになった。これは、いわば、免疫系が環境変化に対するアンテナの役割を果たし、環境情報を神経中枢に伝達する一方、中枢からは免疫系への制御が働いていることを示している。しかし、このようなクロストークの実体については、適切な研究手段がなく、これまでほとんど研究がなされてこなかった。そこで、本研究では顕微光学法を駆使して、全く新たな視点から、免疫系と神経系のクロストークの研究を推進した。そこで、免疫系と神経系のクロストークの実体を追究した。具体的には、免疫細胞(T細胞)と神経細胞の共存培養システムを確立し、同時に、それらシステムの細胞機能を解析する顕微光学(共焦点レーザ顕微鏡、原子間力顕微鏡)技術を発展させ、T細胞の神経細胞による制御機構の実体の解明と、T細胞から神経細胞への情報伝達機構を追究を試みた。特に、本年度は、(1)神経節初代培養細胞とT細胞の共存培養システムの確立と(2)顕微光学法による初代培養神経細胞とT細胞の相互作用の追究の2項目を中心に研究を進めた。まず、マトリゲル上で神経節初代培養細胞とT細胞の共存培養システムの確立に成功した。次に、両細胞の共存培養システムを用いてサソリ毒(scorpion venom)で神経細胞を刺激すると、神経細胞の細胞内カルシウムイオン濃度の上昇に続いて、T細胞のカルシウムイオン濃度の上昇が特異的に起こることを見出した。神経細胞とT細胞の間のクロストークの存在を初めて明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] C.Kawaura: "Atomic force microscopy for studying gene transfection mediated by cationic liposomes with a cationic cholesterol derivative." FEBS Lett.421. 69-72 (1998)
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[Publications] A.Noguchi: "Membrane fusion plays an important role in gene transfection mediated by cationic liposomes." FEBS Lett.433. 169-173 (1998)
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[Publications] R.Nakamura: "Atomic force microscopy for the cellular localization of secretory granules and coated pits in rat basophilic leukemia cells after antigen stimulation." Bioimages. 6. 69-75 (1998)
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[Publications] K.Tenjinbaru: "Nuclear translocation of green fluorescent protein-nuclear factor κB with a distinct lag time in living cells." FEBS Lett.444. 1-4 (1999)
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[Publications] M.Nakanishi: "Dynamic structures of CD63 antigen with a green fluorescent protein in RBL-2H3 cells after stimulation with antigen." Proceedings 10th International Congress of Immunology. 4(in press.). (1999)
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[Publications] M.Nakanishi: "Cell Signaling and Imaging in Mast Cell Activation" Current Trends in Immunology. (in press.). (1999)
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[Publications] 中西 守: "見る技術" 共立出版, 350 (1998)
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[Publications] 中西 守: "生物工学基礎コース(分析.計測法)" 丸善, 187 (1998)