2000 Fiscal Year Annual Research Report
投手の傷害を予防するための投球制限の指標に関する研究
Project/Area Number |
10878005
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高田 義弘 神戸大学, 発達科学部, 助手 (90216664)
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Keywords | 野球 / 投手 / 筋電図積分値 / 全力投球 / 全力下投球 |
Research Abstract |
投手のリハビリプログラムにおける強度の指標として、球速や投球距離が有効であるかどうかを調べるために、全力投球時および球速、投球距離を変化させた時の、上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋、大腿直筋、大腿四頭筋の筋電図積分値を比較することを目的とした。 被検者にはあらかじめ実験の趣旨と危険性を十分に説明した上で承諾を得、同意書に署名した大学生投手3名を用いた。結果は全力投球時の各筋肉の単位時間あたりの筋電図積分値を100%として比較した。その結果、球速において全力投球時のスピードの90%では、平均で上腕二頭筋は87%、上腕三頭筋は89%、三角筋は78%、大腿直筋は93%、大腿四頭筋は85%の放電であった。70%の球速ではそれぞれ、85%、79%、70%、85%、80%の放電であった。50%の球速では、68%、66%、50%、50%、55%の放電であった。また、全力遠投時の各筋肉の単位時間あたりの筋電図積分値を100%として比較した場合、90%の距離では、平均で上腕二頭筋は95%、上腕三頭筋は93%、三角筋は88%、大腿直筋は94%、大腿四頭筋は96%の放電であった。70%の距離では、それぞれ72%、82%、65%、77%、81%であった。50%の距離では、それぞれ65%、61%、55%、50%、52%であった。30%の距離では、45%、55%、50%、39%、33%であった。 これらのことから、筋放電は球速や距離に応じて低下することが認められたが、その低下の割合は必ずしも、球速や距離の減少に伴わないことが認められた。
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