2010 Fiscal Year Annual Research Report
文化遺産ガバナンスと社会関係資本の構築と実践に関する民俗学的研究
Project/Area Number |
10F00007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 通弥 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 賢貞 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 民俗学 / 埼玉県秩父市 / フィールドワーク / 秩父三十四札所 / 秩父夜祭 |
Research Abstract |
本研究「文化遺産ガバナンスと社会関係資本の構築と実践に関する民俗学的研究」の目的は、日本のローカル社会における綿密なフィールドワークに基づき、文化遺産に関連する政策の形成・実施・管理をめぐる多様な主体たちの実践を「文化遺産ガバナンス」というパースペクティブから分析するとともに、この社会的現象のダイナミズムが「社会関係資本」の構築にいかにつながっているのか、そのメカニズムのあり方を民俗学的に検討することである。以上の目的の遂行のために、初年度の2010年9月から11月まで、フィールドワーク対象地の埼玉県秩父市における予備調査(Pre-Fieldwork)を行い、同年12月における1次集中調査と海外出張(韓国民俗学会への参加)を行った上で、翌年の2011年1月から3月までにそれまでの調査データの分析およびフォローアップの作業を完了する予定であった。しかし、12月の1次集中調査の間、フィールドの町内で大山の代参講が4~5月に行われることを知り、それへの参加及び関連した民俗宗教に関する予備調査の必要のため、5ヶ月の遅延が生じ、研究費の繰り越しを申請した。その結果、町内の代参講の調査のみならず、「秩父三十四札所」やその巡礼の民俗やその実態も観察調査することが可能であった。また、本研究における主な調査対象である秩父神社の例祭を、日本の祭り文化というコンテクストの上で比較検討するために、同県所沢市に所在する所澤神明社の秋祭りや大阪府岸和田市の岸城神社のだんじりまつりなども見学調査し、分析の枠組みを広げた。研究計画の変更後、以上のような作業を無事行ったことで、平成22年度の研究は計画どおり行われたと考える。
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Research Products
(1 results)