2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堂免 一成 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Peng 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 光触媒 / ナノ構造 / 水素 / 半導体 |
Research Abstract |
本研究課題は主として1)プラズモン共鳴で動作する金属光触媒、2)コンポジット型光触媒、3)形状制御光触媒、の3つに取り組み、エネルギー問題の解決、ナノテク分野への学術的寄与を目指すものである。平成22年度は主に2)コンポジット型光触媒、3)形状制御光触媒に関する研究を行った。モリブデンメッシュ上にめっきによってCu/Sn/Zn金属多層膜を作製して硫化水素雰囲気下において焼成することによりCu2ZnSnS4光触媒電極を得た。これに独自に開発したディップCBD法によってCdSを積層し、コンポジット型光触媒電極を作製した。さらにPtを光電析法によって担持することによって非常に高い効率で、光と水のみから水素を生成することができた。走査型電子顕微鏡等による構造解析から、Cu2ZnSnS4光触媒電極はめっき条件によって電極構造がナノスケールで変化することが確認でき、最も高性能なCu2ZnSnS4光触媒電極ではチムニー状のナノ粒子の集合体で構成されることを明らかにした。光触媒電極を用いた水分解においては電極表面に生じる水素の気泡が高効率化の妨げになることから、ガス捕集室に直接水素を放出するシステム開発を行った。要となる膜電極集合体(MEA)の試作も行い、実際に動作確認を行うことにより本システムの有用性を確認した。これまでに得られた成果を今後さらに発展させることにより、再生可能エネルギーの代表格である太陽エネルギーを利用し、水のみを原料としてクリーンな燃料あるいは化成品の原料である水素を高効率かつ安価に得る技術実現に貢献するものと考えられる。
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