2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 いくこ 京都大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TEH Ooi-kock 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シロイヌナズナ / 種子貯蔵タンパク質 / 液胞選別輸送 / 小胞輸送 / 植物病応答 / 植物免疫 / gfs変異体 / 過敏感細胞死 |
Research Abstract |
高等植物の種子の液胞は貯蔵タンパク質を大量に集積するオルガネラである.種子タンパク質は,人類にとっては食料や飼料として不可欠のものであり,人類が必要とするタンパク質のおよそ70%は直接的又は間接的に種子から得ていると言われている.種子のタンパク質は粗面小胞体で合成された後,前駆体の状態で液胞へと輸送され,そこで成熟型へとプロセシングされる.しかしながら,種子タンパク質の液胞輸送経路に関する詳細な分子機構の解明は進んでいない.本研究では,申請者のグループが確立した種子タンパク質輸送の突然変異体gfs(green fluorescent seed)のプールの網羅的解析を行うことにより,植物特有の液胞輸送経路の発見とともに,液胞選別輸送の高次機能への役割を明らかにすることを目指している.本研究は,平成22年9月に開始しており,7ヶ月間に得られた成果は下記の通りである. 1.シロイヌナズナ液胞選別輸送変異体(gfs12)の原因遺伝子の同定:gfs12変異体(Columbia背景)をLandsberge背景のシロイヌナズナと交配させたF2集団を用いたポジショナルクローニングおよび次世代シーケンサーを用いたSNIP解析により,gfs変異体の原因遺伝子を同定した.次いで,この遺伝子産物であるGFS12の細胞内局在性等の解析を行った. 2.植物病害抵抗性における液胞選別輸送機構の解析:最近,植物の細胞内輸送経路が病害応答機構に深く関与している報告が出されている.そこで,植物が独自に持つ免疫反応に細胞内輸送経路がどのように寄与しているのかを,gfs12変異体を用いた解析を行う目的で,非病原性菌であるPseudomonas(AvrRpm1)株による感染実験系を確立した.
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