2011 Fiscal Year Annual Research Report
アフィニティタグを利用した葉緑体内包膜の蛋白質輸送装置TICの単離と解析
Project/Area Number |
10F00091
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中井 正人 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JOCELYN Bedard 大阪大学, 蛋白質研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 葉緑体 / 蛋白質輸送 / 膜蛋白質複合体 / トランスロコン / オルガネラ / シロイヌナズナ / 生合成 / 蛋白質膜透過 |
Research Abstract |
高等植物の葉緑体を構成する3000種以上とも予測される葉緑体蛋白質のうち90%以上は核の遺伝子によりコードされており、サイトゾルのリボソームによって合成された後、外包膜と内包膜という二重の包膜を通過して葉緑体内部へ輸送される。この蛋白質輸送を支えているのが、それぞれの膜に存在する蛋白質透過装置TOC(複合体およびTIC複合体である。TICの構成因子の候補としては、最も解析がなされているTic110やTic40以外にも、Tic55/Tic62/Tic32などとTicと名付けられているものの、その具体的な機能だけでなく蛋白質輸送への直接の関与も疑わしいものも含まれている。エンドウにおける膜透過中の前駆体の架橋実験によって同定されたpsTic20は、内包膜内在性の4回膜貫通型蛋白質であり、TIC複合体の膜透過チャネルを構成する蛋白質であると考えられている。psTic20に最も相同性の高いシロイヌナズナ相同蛋白質としてatTic20-Iが存在し、このtic20-I欠失変異体はシビアなアルビノ致死の形質を示す。我々のグループでは、さまざまな生化学的証拠から、Tic20こそがTIC複合体の中核であると考え解析を進めている。本年度の解析では、Tic20-Iに精製用のアフィニティタグを付加した蛋白質を発現するトランスジェニックシロイヌナズナに加え、Tic110あるいはTic40それぞれに同様の精製用のアフィニティタグを付加した蛋白質を発現するトランスジェニックシロイヌナズナを用い、個々の蛋白質およびその複合体を精製する事に成功した。その結果は、やはりTic20こそがTIC蛋白質膜透過装置の中核である事を強く支持する結果となった。
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