2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソルガムのアレロパシー活性に関するQTL(量的形質遺伝子座)解析
Project/Area Number |
10F00096
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奥野 員敏 筑波大学, 生命環境系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHEHZAD Tariq 筑波大学, 生命環境系, 外国人特別研究員
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Keywords | ソルガム / アレロパシー / 量的形質遺伝子座 / 生物的雑草防除 / SSRマーカー / コアコレクション |
Research Abstract |
アフリカ起源で生産高が世界第5位の穀物であるソルガムは深根性に優れているため、乾燥地や半乾燥地に適応できる作物である。起源地のアフリカでは重要な穀物であるが、除草剤による雑草防除対策は現実的ではなく、生物機能を利用した低コストの雑草防除法を開発し普及されることが必要である。作物に内在するアレロパシー活性は、生物的防除ための有効な手段である。そこで、本課題では、DNAマーカーを利用して、ソルガムのアレロパシー活性に関与する量的形質遺伝子座(QTL)の検出をめざす。平成23年度に得られた成果は以下のとおりである。 (1)アレロパシー活性強弱品種の交配に由来するF_2集団の作出 アレロパシー活性の変異が大きく、SSRマーカー座における多型頻度が高い品種間で交配して得たF_1個体を栽培して、遺伝解析用のF_2種子を採種した。 (2)連鎖不平衡解析によるアレロパシー活性に関連する染色体領域の特定 コアコレクション107品種を用いて、ソルガムの染色体10本に散在するSSRマーカー98座におけるDNA遺伝子型情報とアレロパシー活性値に基づく連鎖不平衡解析(アソシエーション解析)を行った。その結果、アレロパシー活性の検定種物レタスの発芽率を指標として評価した場合、第1、2、5、9染色体のSSRマーカー座との間に強い連鎖不平衡を検出した。そのなかで、第9染色体のマーカー座との間で最大のP値を示した。また、レタスの根長を指標として評価した場合、第7染色体の2つのSSRマーカー座と有意な連鎖不平衡を検出した。 (3)以上の結果から、ソルガムのアレロパシー活性に関連するQTLが第1,2,5,7,9染色体に計7個存在することを明らかにした。
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