2010 Fiscal Year Annual Research Report
早期骨再生を目指した生体分子付与型骨類似アパタイト/コラーゲンナノ複合体の合成
Project/Area Number |
10F00209
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
菊池 正紀 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料センター, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BODHAK Subhadip (独)物質・材料研究機構, 生体材料センター, 外国人特別研究員
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Keywords | アパタイト/コラーゲン骨類似ナノ複合体(HAp/Col) / シート / 生体分子付与 / BMP遺伝子 / FGF-2 / カルシウムイオン / マグネシウムイオン / 細胞増殖性 |
Research Abstract |
アパタイト/コラーゲン骨類似ナノ複合体(HAp/Col)を我々のグループで開発した同時滴下法にて合成した。この際、HAp/Col質量比を8:2および7:3の二種類とすることで、短線維と長線維をそれぞれ合成し、純水中で混合後ろ過することで、フレキシブルなシート状に成型した。 これを生体分子であるBMP-2遺伝子あるいは塩基性線維芽細胞増殖因子-2(FGF-2)を含んだリン酸カルシウム過飽和溶液中に浸漬することで、HAp/Colシート表面に生体分子の担持層を形成を試みた。しかし、従来の手法では担持層を形成することができなかったため、HAp/Col表面への生体分子担持法を再検討した。その結果、HAp/Colシート上に生体分子担持HAp層を形成することに作製した。 それと平行して、HAp/ColへのCaおよびMgイオンの吸着について検討を行った。その結果、HAp/ColへのCaおよびMgの吸着は細胞の増殖を阻害するほど高いことが確認された。これらが、従来法でHAp/Col上への生体分子担持HAp層の形成を阻害していることが示唆された。 未処理のHAp/Col、CaおよびMg単体溶液あるいは両イオンを含んだ溶液で処理したHAp/Col、およびポリスチレン培養皿上でMC3T3-E1細胞を培養したところ、各イオン単体溶液で処理したHAp/Colでは、ポリスチレンよりも高い細胞増殖効率を示し、両イオンを含んだ溶液で処理したHAp/Colでは各イオン単体溶液で処理した場合よりも高い密度で細胞が増殖していた。 これらの結果は、HAp/Colの優れた生体機能性を証明しただけでなく、平成23年度以降の「生体分子担持」 とそれによる「細胞機能制御」を実現するための基礎データとして有効である。
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