2010 Fiscal Year Annual Research Report
超薄膜アニソトロピーの実現による超高感度・高選択的HPLCの開発
Project/Area Number |
10F00343
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤田 剛 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MALLIK A.K. 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 分子認識 / 交互共重合 / ポリマーシリカハイブリッド / HPLC分離 / トコフェノール異性体 / βカロチン異性体 / 多環芳香族化合物 / ステロイド |
Research Abstract |
環境科学、食品科学、臨床医学などの分野で重要な物質の幾何異性体を、高速液体クロマトグラフィによって分離、分析することは、分析化学の分野で重要な課題である。本研究では、高選択的な逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)に利用可能な、新奇な交互共重合ポリマーシリカハイブリッド型充填剤を開発することを目的としている。 平成22年度はポリ(オクタデシルアクリレート-N-オクタデシルマレイミド)グラフト化シリカの合成と充填剤としての使用を検討した。合成は表面開始ラジカル連鎖移動反応により3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)修飾シリカから、交互共重合により行い、得られた固定相は元素分析、拡散反射フーリエ変換赤外吸収スペクトル(DRIFT)、^1H-NMR,固体NMRなどによって分析し、HPLCに充填して分子の形状選択性を評価した。その結果、分子形状選択性が強化され多環芳香族化合物類、βカロチン、トコフェノールの異性体の分離が可能となることを見いだした。この原因はπ-π相互作用、双極子双極子相互作用に由来するものと思われる。 また、順相-逆相HPLCに、ポリ(N-カルバゾールエチルアクリレート)修飾シリカを合成した充填剤を用いて、種々のエストロゲン類やコルチノイド類の分離を検討した。この結果、8種類のエストロゲンコルチノイド類を分離可能であることをみいだした。これはカルバゾール部位によるπ-π、双極子-双極子相互作用などの多点相互作用が、ODSの疎水性相互作用より有効に働いたためと思われる。
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Research Products
(5 results)