2012 Fiscal Year Annual Research Report
酸化グラフェンを基礎としたナノグラフェンの作成とその特異な電子・磁気特性
Project/Area Number |
10F00350
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木口 学 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAJEEV KUMAR Vattakattu Ramacrishnan 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 電子・電気材料 / 磁性 / ナノ材料 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
酸化活性炭素繊維(ACFs)の磁化率、磁化を測定し、磁性の評価、NEXAFSの実験から磁性の起源となるFermi準位付近に存在する非結合電子状態の解析を行った。NEXAFSのスペクトルでは、ACFsを酸化して行くと次第にがバンドとエッジ状態の寄与は減少し、代わって、新たな非結合電子状態が発生し、この酸素誘起の状態は酸化の進行により強度を増して行く。π*バンドの酸化による減少は、酸化によりπ共役系がナノグラフェン内部まで破壊されて行くことを示唆しており、エッジ状態の減少もこのことによってもたらされている。代わって形成される酸素誘起の非結合電子状態は、グラフェン面の共役系が破壊され、酸素誘起の欠陥がグラフェン面に形成された結果、酸素誘起の欠陥領域に生じる非結合状態と理解される。未酸化ACFsでは、測定された磁化過程はS=1/2の挙動で基本的には記述され、スピン間相互作用は小さく、エッジ状態スピンは互いに独立に振舞う挙動を示している。 酸化が進行すると磁化過程はS=1/2の挙動からずれだし、次第にS=3/2の挙動の近くなって行く。酸化ACFsにおいては前述のように磁性を担うスピンは酸素誘起の非結合状態に存在するスピンであり、S=3/2に近い磁化過程の挙動は酸素誘起の局在スピンが互いに強磁性相互作用により結合をしていること理解される。内部磁場がACFs試料中でGauss分布をするものと仮定してフィッティングを行った結果、最も酸化の進んだACFs(0/C=0.6)では、内部磁場は反強磁性(負領域)から強磁性(正領域)に渡って分布していることが見出された。また、内部磁場の平均値は強磁性α=2830 Oe.emu^<-1>.g.と見積もられた。
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Research Products
(2 results)