2010 Fiscal Year Annual Research Report
ガスセンシング材料用としての機能性マイクロ/ナノ構造を有する金属酸化物の調製
Project/Area Number |
10F00353
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 則雄 九州大学, 産学連携センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BREEDON Michael 九州大学, 産学連携センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ガスセンサ / 自動車排ガス / 環境モニタリング / YSZ / ZnO |
Research Abstract |
本研究は、高度な自動車排ガス用センサあるいは環境モニタリング用ガスセンサの構築を最終目標とし、酸化物系薄膜材料の作製法、微細構造、表面物性の最適化とセンサ材料の結晶構造、電気化学特性の評価・検討を行うものである。今年度は、YSZ型ガスセンサにおいて良好なセンサ特性を得るための重要な因子である検知極材料の調製法として、環境負荷が低くマイクロ・ナノ構造の形成が可能な、水溶性溶液中におけるゾルゲル法を適用することで、特異的なガス検知能を有するセンサの開発を目指して研究を行い、以下のような結果を得た。 まず、シリンジポンプにより水溶液系での反応を制御することで合成したNiOおよびZnOについて、走査電子顕微鏡を用いて検知極構造を観察したところ、両検知極において目的とするポーラスな構造を有するサブマイクロサイズの酸化物粒子が確認された。そこで、これらをYSZ型素子の検知極材料として適用し、一般的な排ガス環境条件下(5vol.%H_2O、5vol.%O_2)において、ppmレベルの種々のガス(CO、C_3H_8、NO、NO_2、H_2、CH_4、C_3H_6、NH_4)に対する応答特性を調べたところ、ZnOを検知極として用いた素子が、550℃-700℃という高温下においても炭化水素およびNO_2に対して高い感度を示した。また、ZnOをベースとしてNi^<2+>を5mol.%添加することで、感度を約2倍に増加させることに成功した。本ZnO(+5mol.%NiO)素子の炭化水素およびNO_2に対する90%応答時間はいずれも約1分と比較的迅速であることも分かった。
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