2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00354
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 淳夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARPANDA Prabeer 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | リチウム電池 / 正極 / 低温溶液合成法 / ナトリウム電池 / タボライト / ピロリン酸 / 次世代電池 |
Research Abstract |
リチウムイオン電池は現在電気自動車用電源や風力・太陽光発電併設の大型蓄電システムとしての利用が求められており、そのためにより一層の高エネルギー密度化、低コスト化が求められている。しかし、現状の電池材料構成では性能が理論的限界に達しており、また希少金属を使用しているため根本的な低コスト化が困難な状況にある。そこで、本研究では現在次世代リチウムイオン電池電極として広く研究が行われている電極材料について、環境負荷の小さい低温溶液合成プロセスの検討、および本合成法を用いた新規正極材料の探索を行った。具体的には、当研究室で初めて報告したリチウムイオン電池正極材料であるLiMBO_3、Li_2MP_2O_7に着目し、これまで行われていた固相法ではなく、溶液法による合成を行った。その結果、ナノ構造を有するカーボンコートLiMBO_3及びLi_2MP_2O_7の合成に成功した。とりわけ、Li_2MP_2O_7のナノ粒子を合成したのは世界初であり、現在論文2報を執筆中である。さらに次世代リチウムイオン電池の高エネルギー密度化に寄与するため、これらの材料にマンガンのドープを行い、電気化学反応の高電位化を検討している段階である。また、上記の低温溶液合成法を用いて、2010年に見いだされた新規材料であるLiMPO_4F及びLiMSO_4Fタボライト系正極材料について探索を行った。現在、合成法の最適化を行っている状況であり、次年度に引き続き検討を行う。さらに、高い酸化還元電位を示すと予想されるコバルト、ニッケル、マンガンなどの3d遷移金属元素を含むタボライト系材料についても同時に検討を行い、次世代リチウムイオン電池の高エネルギー密度化に寄与する。
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