2010 Fiscal Year Annual Research Report
データベース技術を融合したシミュレーションによるタイ沿岸の波浪予測
Project/Area Number |
10F00357
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
北本 朝展 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIRISUP Sirod 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | シミュレーション / データ同化 / 衛星データ解析 / 次元削減 / 高速化 / 海洋シミュレーション / タイランド湾 |
Research Abstract |
本研究はシミュレーション技術とデータベース技術を融合した海洋シミュレーションの実現と、それに基づく警報および観測網システムの動的な構成を目指すものである。そこで鍵となる技術が、シミュレーションに観測データを取り込むためのデータ同化である。そこで今年度は、基本的な海洋シミュレーションモデルを用いたデータ同化の実験を開始した。まずモデルとしては重力および水温を考慮した簡単なモデルを用いて、そこにデータ同化アルゴリズムを組み込む方法を検討した。そのためにはシミュレーションモデルを時間方向前向きだけではなく後向きにも動かすための仕組みが必要となることから、自動微分アルゴリズムの検討や既存モデルの拡張などの点で研究を進めた。また、海洋シミュレーションの対象としてはタイランド湾を想定することから、タイランド湾において衛星観測データを得るためのNOAA-AVHRR衛星データ解析を試し、海水温を推定するためのアルゴリズムを確認した。これらの研究においては、将来的に本研究のアピールポイントとなる次元削減(線形・非線形)による高速化をどう組み込めるかを念頭におきつつ研究を進めるとともに、特に今後は重要性を増すと考えられる非線形次元削減(カーネル法やニューラルネット等)に関する基礎的な文献調査を開始した。最後に、日本におけるデータ同化研究コミュニティの中心となっている統計数理研究所などとも研究交流し、国際的動向も調べながら研究を進めるように配慮した。
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