2011 Fiscal Year Annual Research Report
データベース技術を融合したシミュレーションによるタイ沿岸の波浪予測
Project/Area Number |
10F00357
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
北本 朝展 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIRISUP Sirod 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | シミュレーション / データ同化 / 衛星データ解析 / 次元削減 / 高速化 / 海洋シミュレーション / タイランド湾 |
Research Abstract |
本研究は、研究分担者(Sirod Sirisup)と共に、シミュレーション技術とデータベース技術を融合したデータ同化技術の研究を進め、それをタイランド湾などの海洋データ(特に波浪データ)に適用すること,・にある。今年度はデータ同化のアルゴリズムを海洋シミュレーションのソフトウェアに組み込む方法を確立し、実データを用いた実験ができるようになった。第一に海底地形から固有モードを抽出するソフトウェアを開発し、これが人工データではうまく動作することを確認した。本ソフトウェアの構築においてはオープンソースの高精度グリッド化ライブラリや最適化ライブラリなどを利用する環境を整えるとともに、これを海洋シミュレーションソフトウェアと連動させた。第二にケーススタディとして伊勢湾を選び、台風接近時の潮位観測データを固有モードと比較することで、潮位観測データが固有モードである程度は説明できることを示した。これは高潮などによる危険性を把握するための情報として使える可能性がある。また基礎的な研究として、非線形次元削減のアプローチとしてニューラルネットワークやカーネル主成分分析などの手法を調査するとともに、その他のデータ同化に関する基礎的な調査を進めた。これらの成果を公表するため、国際会議への論文のsubmissionなどを進めている。またデータ同化に必要となる実測データの入手についても、各種機関との連携を進めていくつかのデータを入手することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者はデータ同化に関する知識を身につけ、海洋シミュレーションと組み合わせた研究成果を生み出し始めている。また伊勢湾など日本の地域を対象とした実データも扱っており、日本での研究におけるコラボレーションも進み始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はデータ同化とデータベースの結合を目的とするものであるが、データベースに関する専門性に比べてデータ同化に関する専門性については本研究所の内部だけではカバーできない面もあるため、今後は研修プログラムやサマースクールへの参加を通して分野の全体像をつかむとともに、先端的な話題に関する情報を収集することで、これまで論文等を通して得てきた知識をさらに強化することを考えている。
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