2010 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパク質Khd1による時間的・空間的mRNA安定性制御機構
Project/Area Number |
10F00395
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
入江 賢児 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Xia 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 膜タンパク質 / mRNA / SRP / 翻訳 / RNA結合タンパク質 / Ccr-Not複合体 / 酵母 / 細胞壁 |
Research Abstract |
出芽酵母において、RNA結合タンパク質Khd1はASH1 mRNAの局在とその局所的翻訳制御に関与する。私は、Khd1の解析の過程で、(1)Khd1はASH1 mRNAのみならず、膜タンパク質をコードするmRNAのコーディング領域内の(CNN)n繰り返し配列に結合すること、(2)Khd1はASH1 mRNAに対しては翻訳の抑制因子として働くが、別の標的mRNA、MTL1 mRNAに対してはそのmRNA安定性を正に制御すること、(3)Khd1がシグナル認識粒子(Signal recognition particle : SRP)のサブユニットSec65に結合すること、(4)Sec65とその相互作用因子Pop2(ポリA分解酵素)がMTL1 mRNAの不安定化に働くことなどを明らかにしてきた。これらの結果から、 (1)SRPサブユニットSec65がPop2ポリA分解酵素とともに特定のmRNAの分解に働くこと、 (2)RNA結合タンパク質Khd1はSec65と結合してその分解を阻害することにより、MTL1 mRNAを局所的に安定化する、というモデルを考えている。本研究では、これらの結果を検証するとともに、この制御の生理的意義、この制御の進化保存性を解明する。 本年度は、Khd1制御に関わる因子の同定を試み、以下の結果を得た。 (1)FLAGタグ付きKhd1pの発現プラスミドを構築し、発現させた。FLAG-Khd1pは正常のKhd1pの機能をもつことを確認した。 (2)FLAG-KLd1の免疫沈降による相互作用する因子を同定した。Spa2タンパク質であった。 (3)KHD1遺伝子、SPA2遺伝子、CCR4遺伝子の遺伝学的相互作用を確認した。 今後、Khd1,Ccr4,Spa2を中心に、mRNA制御の分子機構を解明する予定である。
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