2010 Fiscal Year Annual Research Report
胚性プロテアソームによるタンパク質品質管理機構とその機能の解明
Project/Area Number |
10F00396
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 茂穂 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
申 承旭 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プロテアソーム / 初期胚 / シャペロン / ユビキチン |
Research Abstract |
哺乳類では、受精後卵子の細胞質に蓄積されていた母性タンパク質が急激に分解される。近年、受精後の母性タンパク質の分解にはユビキチン-プロテアソーム系が関与する可能性が示唆されているが、その詳細な分子メカニズムは未だに不明であった。我々はこれらのことを明らかにするためにPSP(POMP stabilizing protein)の同定に成功した。マウス初期胚を用いた機能解析から、PSPは胚性特異的プロテアソームの形成に関与することが明らかになった。プロテアソームは分子量2.5MDa.の巨大な複合体であり、プロテアソームの形成や調節に関わる分子シャペロンや調節因子なども多く存在している。私はここで、PSPのようなプロテアソームと相互作用する新規因子の探索を目的にヒトの培養細胞を用いてプロテオーム解析を行った。その結果、プロテアソームと相互作用する蛋白質の同定に成功し、さらに、細胞にストレスを与えることによってプロテアソームと相互作用する蛋白質が異なることが明らかになった。得に、近年研究ツールとして注目されているプロテオミクス解析からプロテアソームと相互作用するタンパク質の同定に成功したことは、これからのプロテアソームの機能解析において新たな展開が開かれることが期待される。そして、同定されたタンパク質とプロテアソームとの相関関係を明らかにするために、ヒトの細胞に過剰発現やノックダウン方法を用いて機能解析を行う予定である。
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