2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネの雑種花粉不稔遺伝子S19のポジショナルクローニング
Project/Area Number |
10F00401
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 淳 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN Ngoc Giao 九州大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / 雑種花粉不稔 / 生殖的隔離 / クローニング / 種分化 |
Research Abstract |
日本型栽培イネO.sativaと西アフリカ原産の栽培イネO.glaberrima交雑後代にはF1花粉不稔がしばしば観察され、両種間の主要な生殖的隔離障壁として働いている。F_1花粉不稔の分子機構を明らかにする事で、種分化に寄与した重要な変異を明らかにすることができる。本研究では、染色体3に座乗するF_1花粉不稔遺伝子S19の単離に向けて、O.glaberrima由来のBACクローンのゲノム断片を用いた相補性検定を行っている。当該領域は100kbにわたるが、花粉形成に関連した遺伝子が見出されないため、(実験1)候補領域をカバーする平均30kb程度の大きな断片長を持つクローンライブラリーを作成し、(2)順次相補性検定を行い、原因遺伝子の同定を図る。BACクローン抽出、NotI部分消化断片の作成およびパルスフィールド電気泳動の条件設定の実験を行い、おおよそ30kb以上の断片長からなるゲノムDNAを切り出すことができた。さらに、これを比較的大きなゲノム断片をクローニングできるバイナリーベクターpYLTAC7にクローニングし、大腸菌のクローンを1000個以上得た。候補領域をカバーするPCRマーカーを作成し、クローンの同定を行っている段階である。大きなゲノム断片がクローニングされたクローンは一つしか得られていないので、ライゲーション反応の条件設定が必要であると考えられた。実験3の発現解析については、遺伝子の同定以後の実験であるので、現段階では遺伝子予測等を行い、プライマーの設計を行った。
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