2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境要素の季節変動によるアカモク流れ藻の浮遊期間の変化
Project/Area Number |
10F00413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 輝久 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROTHAUSLER Eva Anja 東京大学, 大気海洋研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 流れ藻 / アカモク / 生理 / 環境要素 / 季節変動 / 紫外線 |
Research Abstract |
流れ藻はブリやマアジ稚魚の生息場として非常に重要である。特に、日本における養殖業で最も重要なブリ養殖では、流れ藻と一緒にしか採集されないブリ稚魚のモジャコに種苗を全面的に依存しており、流れ藻の分布や移動について正確に知りたいという漁業者の要望は非常に強い。ブリの最大の産卵場である東シナ海では、アカモクのみからなる流れ藻しかなく、流れ藻は中国から輸送されると考えられている。しかし、このアカモクの浮遊期間についての知見はなく、また、どのような環境要因が影響を及ぼしているか明らかになっていない。そこで、日本周辺の流れ藻の中で量的に最も多く、重要であるアカモクを研究対象として選び、アカモクの浮遊期間を推定するために必要な、水温や光合成有効放射、紫外線などの環境条件とアカモクの生理生態および浮遊期間の関係を調べることを目的とする。そのため、春/夏季と秋/冬季の2期間に着目して実験を行ない、(1)アカモク流れ藻の浮遊期間,生長,生理に及ぼす水温,光合成有効放射,紫外線の影響の評価の影響の評価、(2)アカモク流れ藻の浮遊期間に及ぼす水温の直接的影響の評価、(3)アカモク流れ藻の浮遊期間に及ぼす水温と塩分の複合効果の影響の評価について検討する。平成22年度は、実験設備の準備、実験場所の選定を行った。しかし、三陸沿岸の大槌湾にある東京大学大気海洋研究センターの臨海実験施設が津波で被災したため、現在、代替の実験場所を選定中である。
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