2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00421
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AYMAN EL-SAYED Mohammad 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | siRNA / 肺 / デリバリー / 核酸医薬 |
Research Abstract |
siRNAを初めとする核酸は次世代医薬品として近年注目を受けている.しかしながら,核酸を臨床応用するためには体内動態及び細胞内動態の制御が不可欠であり,生体内での動態を高度に制御できるデリバリー技術の開発が求められている.当研究室では,核酸の細胞への取り込みやエンドソーム脱出,核移行などのさまざまな細胞内動態を制御する効率的なベクターとして,多機能性エンベロープ型ナノ構造体(MEND)の構築に成功している。一方で,近年、細胞内エンドソーム脱出を促進する機能性ペプチドとして知られているGALAが新たな機能として肺移行性能を有していることも明らかとしており、これらの知見をsiRNAに応用することで,現在臨床試験が実施されているAtuPLEXを凌駕するノックダウン効率をもたらすキャリアの開発に成功している。このキャリアを実用化するためには,効果,毒性及び製造の観点からGALA修飾MEND(GALA-MEND)を構成する脂質組成の最適化が必要となり、特に効果,毒性に大きな影響を及ぼすカチオン性脂質の選定が重要な鍵を握っている。Ayman博士は約10種類のカチオン性脂質の異なるGALA-MENDを調製し,マウスへの全身投与後における肺のノックダウン効果を評価することにより,現行GALA-MENDに匹敵する脂質組成を数種類見出し,組成選択肢の幅を大きく広げた。これらデータは,GALA-MENDの特許をサポートするデータにもなっている。今後,肺転移癌モデルマウスを用いて,GALA-MENDを癌治療への応用の可能性を検討する予定である。
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