2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00421
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AYMANELSAYED Mohammad 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 肺転移 / 遺伝子ノックダウン / siRNA / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
GALAを修飾したMENDは、肺血管内皮細胞に効率的に取り込まれ、効率的に特定の遺伝子をノックダウン可能なキャリアとして開発されたものである。H23年度は、GALAを修飾siRNA封入MENDを用いた抗腫瘍効果を期待して、抗腫瘍活性の実弾としてのESAM遺伝子のノックダウン実験を行った。ESAMは、血管内皮細胞の増殖時における形態維持を行う上で極めて重要な役割を果たし、本遺伝子をノックアウトした細胞においては、メラノーマ細胞の肺転移が抑制されることが示されている。本遺伝子に対する4種のsiRNAをin silico情報に基づいて設計し、in vivoの肺における遺伝子ノックダウン活性を評価した。その結果、1種のsiRNAにおいて、極めて高い遺伝子ノックダウンが得られることを確認し、また、これらのsiRNAを含む数種のsiRNAの複合において、遺伝子ノックダウン効果の上昇は認められなかった。従って、本1種のsiRNAをESAMノックダウンの実弾として選択した。また、本MENDの繰り返し投与を行う上で、ノックダウン効果の持続性を評価することは極めて重要である。単回投与した後の経時的な遺伝子ノックダウン効果を解析した結果、5日後まで遺伝子ノックダウン効果が維持されていることが明らかとなった。また、一方で、in vivoイメージングを用いた肺がん転移の評価系について、基礎的検討を行った。ルシフェラーゼ遺伝子を安定的に発現した肺がん転移モデル癌細胞を静脈内投与することにより、時間依存的に腫瘍が肺に蓄積する様子が観察された。本評価系を用いて、ESAMに対するsiRNA導入時の肺転移抑制効果について評価為ていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実弾としてのESAMの遺伝子ノックダウン用配列が決定され、in vivoで実際に発現抑制が観察された点や、モデルマウスの作成と評価系にたいする基礎検討が終了している点で、今後、抗腫瘍活性を解析出来る段階まで達成している点で、順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ESAMにたいする遺伝子ノックダウン用siRNAをMENDに投与した際の抗腫瘍効果を解析する。また、本遺伝子以外の肺血管内皮細胞における肺がん転移関連遺伝子に関して文献情報を集め、遺伝子ノックダウン可能なsiRANを探索する。ES姐単独で抗腫瘍活性が見られない場合は、投与量や間隔、タイミングなどを考慮してプロトコールを確立すると共に、新たに見いだす実弾siRNAの併用効果においても検証を加える。
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