2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00421
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHAMMAD A.E. 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | GALA / 非ウイルスベクター / 血管内皮細胞 / MEND / siRNA |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、元来エンドソーム脱出を促進するための素子として開発されてきたGALAペプチドがリボソームの肺移行性を促進する有力な素子であることを見いだしている。さらに、その機構を明らかとした結果、本粒子は血液中を凝集せずに循環し、さらにその細胞への取り込みには、細胞膜上のシアル酸末端糖鎖が関与することを明らかとしている。一方、これまで、我々は、脳毛細血管内皮細胞を用いた検討によりApical側(血管側)からBasal側(脳実質側)までのリボソームの輸送を可能とするペプチド(Clone95)の同定に成功している。本素子は、血管内皮細胞のカベオラ経路を標的化する素子として期待される。そこで、GALAペプチドとClone95の併用により、肺毛細血管内皮細胞を透過し、上皮細胞まで送達可能なシステムの構築を試みた。共焦点レーザー顕微鏡により血管透過を可視化するため、蛍光標識されたリボソームの肺内分布を解析した。GALA修飾リボソームの殆どが血管内皮のシグナルと共局在する様子が観察された。一方、さらにCL95を修飾した粒子においては、赤色単独で観察される点が観察された。CL95の修飾により肺組織内における分布が変化し、血管から一部上皮細胞まで移行することが示唆された。本上皮細胞への移行を機能の点から解析するために、本粒子内に上皮細胞の特異的マーカーであるEpCAMに対するsiRNAを導入したリボソーム粒子を構築した。本粒子を2mg/kgとなるように尾静脈内投与し、その後の遺伝子ノックダウン効果を解析した。従来のGALA-MENDに関しては、遺伝子ノックダウン効果が認められなかったのに対し、CL95/GALA-MENDに関しては、まだ弱いながらも有為な遺伝子ノックダウン効果が認められた。これらの結果から、CL95/GALA-MENDは、血中投与により肺の実質細胞(上皮細胞)を標的化可能なシステムであることが示唆された。
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Research Products
(3 results)