2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00703
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
秋山 隆彦 学習院大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HENSELER Alexander 学習院大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 不斉合成 / キラルブレンステッド酸 / 有機触媒 / 不斉還元 / 水素移動型還元反応 / 有機フッ素化合物 |
Research Abstract |
優れた不斉触媒反応の開発は,有機合成化学における最も重要な課題の一つである。これまで我々は,(R)-BINOLより得られるキラルリン酸がキラルブレンステッド酸触媒として優れた不斉触媒能を有する事を見出し,イミンに対する求核付加反応,付加環化反応等に有効である事を報告している。近年,リン酸とHantzschエステルを用いた水素移動型のイミンの不斉還元反応が報告されている。我々は,Hantzschエステルに替わる水素供与体としてベンゾチアゾリンに着目し,ベンゾチアゾリンが優れた水素供与体として作用し,リン酸触媒を用いることにより,ケトイミンの水素移動型の還元がエナンチオ選択的に進行し,対応するアミン類が光学純度良く得られることを報告した。本研究では,ベンゾチアゾリンを用いた不斉還元反応の更なる展開を目指し,トリフルオロメチル基の置換したケトイミンを用い,ベンゾチアゾリンを水素供与体として用いたリン酸触媒による不斉還元反応を検討した。リン酸およびベンゾチアゾリンを選択することにより,対応するトリフルオロメチル基置換のアミンが光学純度良く得られる事を見出した。更に,本手法を利用して,生理活性物質の合成も行った。更に,重水素化されたベンゾチアゾリンを用いて反応を行い,ヒドリド経由で反応が進行していることも明らかにした。
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