2010 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性カテキンオリゴマー、ヘテロオリゴマーの選択的合成戦略に関する研究
Project/Area Number |
10F00708
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 啓介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STADLBAUER Sven 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | カテキン / オリゴマー / 選択的合成 / ポリフェノール |
Research Abstract |
重要な生理活性物質であるカテキンオリゴマー、ヘテロオリゴマーはいくつかのモノマー単位が様々な順序で重合しており、これらを選択的に合成することは非常に困難である。我々はカテキン類のモノマーを立体選択的に合成する方法をすでに開発している。これらを、望みの順序、望みの数だけ結合させるために、糖化学で用いられるオルトゴナル法に着目した。すなわちオルトゴナルな活性化基として硫黄官能基と酸素官能基を脱離基として選択し、それぞれソフトな、あるいはハードな条件下で活性化させることで、望みでないモノマー同士の縮合を防ぐことができると考えた。また、このようなヘテロオリゴマーは回転異性体が存在するため構造決定にも困難が伴うが、我々は既に様々なタイプのカテキン類について、HPLCやNMR等で解析を行っており、合成したオリゴマーの分析が可能であると考え、本研究に着手した。 まずオリゴマーの構成ユニットとなるカテキン類の合成を行った。その際、オルトゴナル法を用いるために適切な官能基(活性化基)を用意した。すなわち、ソフトな条件(AgOTf)で活性化される硫黄官能基(2,6-xylylthio group)をもつもの、ハードな条件(BF_3・OEt_2)で活性化される酸素官能基(ethoxyethoxy group)をもつものを準備し、それぞれのモノマーを順次望みの順番で活性化させ、結合させた。最後に保護基の除去を行うにあたっては、できるだけ酸素に触れないように操作を行い、目的のオリゴマー(カテキントリマーおよびヘテロトリマー)を得た。合成したヘテロトリマーに関して、HPLC、NMRを用いて詳細な解析を行い、その結合順序を決定した。
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