2010 Fiscal Year Annual Research Report
ディスレキシアの言語トレーニングに関する行動科学及び神経科学的研究
Project/Area Number |
10F00724
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAIONCHI-PINO Norbert Alain Romuald 東北大学, 加齢医学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 対象言語学 / 実験系心理学 / 認知心理学 / 音声知覚 / 読み書き障害 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、日本語-フランス語間の対照言語学的実験研究を通して、両言語を母語とする読み書き障害を持つ子供に対する改善プログラムを構築することである。 上記の目的を達成するために、22年度は健常な日本語母語話者とフランス語母語話者(成人)の比較、それぞれを母語とする健常な子供の比較、そして読み書き障害を持つ両言語を母語とする子供の比較を行うことであった。 そこで、心理行動実験により認知心理言語学的データの収集を行った。まず、日本語-フランス語間に共通するユニバーサルな音韻知識がなんであるかを明らかにし、次に個別言語についてのそれぞれの音韻制約を明らかにした。そして最後に子供の発達過程における読み書き能力の測定を行った。これらのデータは最終目的である改善プログラムに必須となるデータである。なお、実験に際しては東北大学医学研究科の倫理委員会で承認済みである。 日本語-フランス語間に共通する音韻知識については、言語間による有意な差がみられなかった。また、音声知覚において、個別言語ごとに音韻知識が階層的になっていることが実験の結果分かった。現在結果データについて詳細な解析を行っているところである。一方、子供を対象とした心理行動実験については現在実験中である。 解析済みのデータについては、認知科学関係の学会で発表する予定であり、また、データをもとに論文を執筆中である。
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