2011 Fiscal Year Annual Research Report
ディスレキシアの言語トレーニングに関する行動科学及び神経科学的研究
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10F00724
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAIONCHI-PINO Norbert AlainRomuald 東北大学, 加齢医学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 対象言語学 / 実験系心理学 / 認知心理学 / 音声知覚 / 読み書き障害 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、日本語-フランス語間の対照言語学的実験研究を通して、両言語を母語とする読み書き障害を持つ子供に対するウェブベースの改善プログラムを構築することである。 上記の目的を達成するために、23年度は健常な日本語母語話者とフランス語母語話者の小児(8~12歳)を対象として音声の聞き分け実験を行なった。被験者は日仏合計で350名以上であった。なお、実験に際しては東北大学医学研究科の倫理委員会で承認済みである。 その結果、音節の区切りに関して日本語母語話者、フランス語母語話者に共通した音韻処理方策、言語ごとの音韻理解上での制約を見いだし、心理実験の結果、その制約が階層性をなしていることが分かった。現在本結果を22年度に行なった成人を対象とした実験結果と照らし合わせ、発達と音韻処理の関係について考察中である。なお、本結果は先行研究の結果とも矛盾しないものであった。成果発表として、国際学会で発表を行なった。 現在は本実験結果を元に脳波・脳磁図実験の準備中である。本実験は、音韻特性の階層性を脳内神経レベルで検査するものである。具体的には、ベースラインとなる音と、音韻素性を操作した音2種類を用意し、被験者に受動的に聞かせ、異なる音韻素性を処理した際に無意識にどのように脳内で反応が起こるかを調べる。同実験は始めに健常成人を対象に行なう。読み書き障害を持つ児童はこの聞き分けがうまく出来ないことが言語障害と関連していると仮定しており、同障害を持つ児童についても検査を行なう予定である。なお、実験刺激、プロトコルは心理実験で用いたものと同一にする予定である(倫理委員会で承認済み)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳機能計測実験の準備中であるが、行動実験においては課題遂行計画通りに進んでおり、解析結果も期待通りであったため。
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Strategy for Future Research Activity |
脳機能計測(脳波、脳磁図)を行い、解析を行う。
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