2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットのモデリングを用いた、認識における社会的相互作用の役割
Project/Area Number |
10F00728
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 高志 東京大学, 大学院・情報学環, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FROESE T. 東京大学, 大学院・情報学環, 外国人特別研究員
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Keywords | 人工生命 / 意識 / ロボティクス / 身体性 |
Research Abstract |
来日してから3ヶ月とちょっとであるので、新しい研究室で活動を開始したところであるが、それでもイギリスの人工知能学会の一つのセッションであるAISBへ共著の論文を投稿、受理に至っている。これが一番の成果である。その具体的な内容は以下の通りである。これまで生命を客観的な存在として組み立ててきた、例えば人工生命の分野に、「生きる」という主観的な視点、生きるを実践する観察者を積極的に組み込もうという、「現象論的な」アプローチを実践/構成するというものである。その結果として、人工的な「あり得るべき」身体性を研究しようというものである。具体的な例として、池上と大海が制作した、人間の感覚を評価基準として、適切な神経回路網を遺伝的アルゴリズムで進化させ、実際に指に当てた樹脂をしんどうさせて皮膚触覚をつくり出す人工触覚生成装置や、プロジェクター3台とニューラルネットを用いて3ヶ月弱屋外で動かし続ける装置「Mind Time Machine」をとりあげた。また理研の鈴木啓介らが制作したvirtual realityを用いた視覚ディスプレーを用いて、イマココの感覚を揺さぶる実験を紹介した。これらはどれも人工的なシステムを用いることで、主観的な感覚をずらす試みである。こうした新しいフレームを明示的に提示していくことは、生命や意識の新しい分かり方を作っていく上で重要である。
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Research Products
(4 results)