2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00733
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
榊原 理智 早稲田大学, 国際学術院, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MASON Michele Marie 早稲田大学, 国際学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | 北海道 / 植民地 / 明治期 |
Research Abstract |
本年度は本(仮題:Peripheral Visions : Imagining Hokkaido and Instituting Imperial Japan)の執筆と早稲田大学図書館における資料収集を行ったほか、北海道への調査旅行(2月11日~24日)を行った。旅行の主な目的は北海道文学館(札幌)、北海道立北方民族博物館(札幌)、札幌市立アイヌ文化交流センター、網走監獄博物館(網走)での資料収集であったが、特に今回の旅行の成果は二つあった。一つは北海道開拓史において欠かすことのできない集治監(明治時代に作られた刑務所の前身)に関する歴史資料を収集することであり、もう一つは新設された網走監獄博物館のデザインを担当した鈴木雅宣氏ヘインタビューを実施することである。前者は、明治期に作られた5つの集治監のうち3つまでが北海道に存在しており、囚人を開拓の強制労働に従事させていたため、その資料は明治政府及び内地の人間が北海道をどのように捉えていたかを示す重要なものである。特に本研究においては、北海道が日本の一部として強調されながら同時に植民地として虐げられていたことが論点の一つであるので、この資料は不可欠であった。さらに、後者は執筆中の書籍の序章と終章にあたる、現代における北海道開拓史の表象に関わるインタビューである。この新設の博物館は、開拓民たちを国家建設の犠牲者として物語化することで美化しており、明治以来繰り返されてきた北海道を領有し植民地化する物語を現代において反復している。この博物館の企画者にインタビューできたことは、本研究を単なる明治期の歴史的研究にとどまらず、現代において意義あるものにするために、貴重な機会であったと信じている。
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