2011 Fiscal Year Annual Research Report
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10F00744
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 高志 東京大学, 大学院・情報学環, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WOONWARD A.M. 東京大学, 大学院・情報学環, 外国人特別研究員
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Keywords | 熱浴計算 / コンピュータ・ビジョン / カオス的遍歴 / フィードバック |
Research Abstract |
本年に行ったことに2つある。 一つ目は、人の主観的な時間を制御するシステムとして、3つのスクリーンを使ってフィードバックのループがネットワーク的になったものを、さらにホップフィールド型の記憶をもたせたカオス神経回路網で動かす実験を提唱した(Ikegami, 2010)。ここのときは、複数のカメラを用いて実際にカメラとスクリーンを用いてフィードバック制御を行ったが、これをプログラムとして実装し、「視覚的な気づきのダイナミクス」がどのようにして起きるか、のための数理モデルとした。たとえばこのモデルから生じる「カオス的遍歴現象」を使って、サッカードのパターンを説明するのが目的である。これは、また自律的なロボットの半理論的なモデル計算となっている。この研究の成果は、翌年2012年にアメリカで行われたArtificial Lifeでポスター講演となった。 2つ目は、熱浴計算とフィードフォワード制御を組み合わせ、入力画像イメージをラベル貼りするモデルシステムの研究である。熱浴計算とは、ランダムな神経ネットワークの入力結合と出力結合の大きさのみを調整すると、いろいろな入出力関係が学習できるというものだ。このネットワークからの出力をフィードフォワードのネットワークに与えて、入力イメージがこのときはこのシンボル、という対応つけを生成した。この研究と一つ目の研究を組み合わせて、「自然な視覚経験」をモデル化、理論化することを現在行なっている。自然な視覚経験とは、風景を眺めているうちに、そこに何があるかのシンボルつけを無意識下で行い、それをベースとしてサッカードが駆動されるというものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ひとつには自律ロボットのモデルとして作る部分と、脳のサッカードのメカニズムや意識・無意識とのむすびつけ、といった原理的な部分でいろいろ試行錯誤があったから。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れの原因であった、視覚の脳内経路などと、それをどう実装するかの問題、などが整理できたので、一般的な視覚センサーからの入力力学モデルとして整備し、完成させる。
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Research Products
(5 results)