2010 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病のゲノム解析(嗅覚受容体につながる個々の神経細胞のゲノム解析研究)
Project/Area Number |
10F00751
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
CARNINCI Piero 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能研究チーム, チームリーダー
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
パスカレッラ ジョバンニ 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能研究チーム, 外国人特別研究員
|
Keywords | プロトコル新技術のセットアップ |
Research Abstract |
2010年に理化学研究所に従事して以来、パーキンソン症候群やアルツハイマー病などの神経変性疾患における反復因子の役割を研究するため、実験系のプロトコールを準備している。我々の科学的な仮説によると、LINEやSINEのような活発なレトロ型転移反復因子の複雑な転写制御における調節不全は、発病や神経変性疾患の進行といった役割を担っているかもしれない。原理証明の最初の目的として、パーキンソン症候群、アルツハイマー病、健常者ドナーの特定脳領域におけるLINEとSINE因子の発現およびレトロ型転移の相違を研究することである。実験のプロトコールは、ヒトゲノム中で広範囲に活性化しているLINE-1とSINEレトロトランスポゾンに特異的な配列をビオチン化したRNAプローブで得る。得られた遺伝子DNA断片を次世代網羅シーケンシングによって決定し、患者と健常者ドナーの脳内での可動性の広がりをモニターするためにヒトゲノムにマッピングする。さらに、レトロ型転移を体性と胚性との間で区別するために、脳とは別の組織を脳組織と同時並行的に行う。ヒトゲノム断片を得るためにデザインしたプローブには、不可動性だと推測されるHERV-1とHERV-K因子、2つの断片型L1、2つの不活性型ALU、5'末端と3'末端またそれぞれスクランブル型のGAPDHといった192の配列を含んでいる。重要なことは、実験系プロトコールがこのプロジェクトにおける組織だけに対応するということではなく、他のあらゆる起源のヒトゲノムDNAにも応用できるということを示すことである。異なる実験段階に必要な全ての材料は理化学研究所に存在し、一度プロトコールが完成すれば他の更なる状態における広大なレトロ型転移を研究することが可能になるだろう。今年度のJSPS科研費は実験系プロトコールの構築に必要な試薬の購入に使用した。
|