2012 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病のゲノム解析(嗅覚受容体につながる個々の神経細胞のゲノム解析研究)
Project/Area Number |
10F00751
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
CARNINCI Piero 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PASCARELLA Giovanni 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / ゲノムの変異性 |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は、活発にレトロ転位を起こす反復要素、LINEやSINEなどの複雑な転写制御における調節不全が、神経変性疾患の発病または進行に関与している可能性を調査することです。そのため、私たちの主たる目的は、原理の証明として、パーキンソン病(PD)およびアルツハイマー病(AD)に罹患しているドナーとコントロールのドナーについて、特定の脳領域におけるLINEおよびSINEのレトロ転位の違いを探すことでした。私たちの実験プロトコルは、ビオチン標識したRNAプローブを使い、現在ヒトゲノム内で活性化しているLINE-1およびSINEレトロトランスポゾンの特定の配列を捕獲するという方法に基づいています。このようにして捕獲したゲノムDNA断片を次世代ハイスループット・シークエンシングによって分析。また、ヒトゲノムのデータをマッピングすることで、患者およびコントロールのドナーの脳内におけるレトロ転位の範囲をモニターすることができました。さらに、体細胞で起きたレトロ転位イベントと生殖細胞で起きたレトロ転位イベントを区別するため、脳のサンプルと並行して、選択した脳以外の組織(腎臓)も調べました。私たちは、ADドナーの側頭葉において、罹患していないコントロールのドナーおよびPDドナーに比べ、レトロ転位が20%減少していることを示し、プロジェクトの第1段階を成功裏に完了しました。本研究を完結させるため、現在私たちはプロジェクトを拡大し、より多くのドナーから、さらに多くの脳領域を集めています。
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