2010 Fiscal Year Annual Research Report
現代の京都における死に関する宗教的象徴(シンボリズム)と境界的(リミナルな)空間
Project/Area Number |
10F00755
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DE ANTONI A. 京都大学, 人文科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 心霊スポット / 死 / 場所 / 文化人類学 / アクターネットワーク / 観光 / ダークツーリズム / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究は7月20日に開始された。研究計画の通り、先ず京都の心霊スポットについての定性的・定量的データの収集を行った。情報収集は専門雑誌と本の検索、インターネットウエブサイト・ブログなどの調査、それを運営しているウエブマスターに対するインタービューに基づいた。収集上、心霊スポットについての語り、又その伝え方と広まり方が分かった。語りの内容を分析し、京都の一番有名な心霊スポットが明らかになった。東山区にある「花山洞」と北区にある「深泥池」周辺で聞き取り調査を行うことによって、心霊スポットにおける地元の人の知識・知覚・体験・語りを調べ、それに基づいているアイデンティティの創造過程を検討した。 又はBBAという京都の観光会社が企画している心霊スポットに通う「京都怪談夜バス」というバスツアーに繰り返し参加し、参与観察を行った。会社の人達・ツアーのガイドにインタービューをし、ツアーのコンセプトと作り方、心霊スポットについての語り方を検討した。ツアー中観光客に対するインタービューをし、京都の心霊スポットに対する観光客の行為を観察した。 上記のデータを「Actor Network Theory (ANT)」という理論視点に基づいて分析し、11月にローカルとトランスローカルの関連・相互コミュニケーションについて発表を行った。 又、「ダークツーリズム」という新たな学問分野の文脈の中で研究を進め、後期資本主義社会で流行っている死と関わっている場所で行う観光にて上記情報を分析した。死についての語りと結びついている場所である心霊スポットの商品化・消費を分析し、心霊スポットに対する人々の体験・信念を扱い、それについての語りと意味の需要供給中の相互交渉に注目し、3月に国際会議で発表を行った。 これから新たな場所に注目し、心霊スポットの中の違いを明らかにする予定である。そして、査読付雑誌に論文を提出する予定である。
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Research Products
(2 results)