2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00756
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
館山 佳尚 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA独立研究者
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FRONZI Marco 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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Keywords | 密度汎関数理論 / 固体酸化物燃料電池 / 金属酸化物 / 界面 / 酸素空孔 / イオン伝導 |
Research Abstract |
固体酸化物燃料電池の新規電解質開発への貢献を最終目標に、その基礎となる金属酸化物のイオン伝導メカニズムの解明を目指して、以下の系に関する構造安定性及び電子状態の第一原理計算解析を実行した。 (1)まず特徴的なイオン伝導の振る舞いが見つかったZrO2-CeO2界面について解析を行った。代表的な(100)面および(111)面について構造最適化を行い、無秩序さの大きい構造が安定構造であることが分かった。さらにYおよびGdが置換型不純物として導入された場合の界面近傍とバルク領域の間の濃度比ついても見積もりを行った。その結果前者が界面近傍に集まりやすいのに対し、後者はバルク領域と濃度的に大差ないという結果を得た。また酸素空孔形成の応力効果を調べるため、ZrO2およびCeO2の格子定数を変化させながら空孔形成エネルギーを計算した所、前者は格子定数の変化に対して空孔形成エネルギーも大きく変化するのに対し、後者は形成ネルギーの依存性が小さいことが分かった。以上からCeO2の方が応力変化に対する応答が小さいことが予見される。さらに酸素空孔の拡散挙動を解析するため、特にZrO2バルクに焦点をあて様々な格子定数における拡散障壁エネルギーを計算した。格子緩和を完全に許す場合、(100)方向が約0.33eV、(111)方向が約2.90eVという結果を得られ、酸素空孔は主に(100)方向に拡散するという知見が得られた。さらにZrO2との界面に対応する0.2Aの引っぱり応力がかかった状態では、(100)方向の障壁が0.06eVまで下がることが分かった。以上から界面における酸素空孔の拡散は主にZrO2側の(100)方向への拡散が主要であるだろうという結果を得た。 (2)別の電解質候補であるZrO2のペロブスカイト型酸化物に関する予備的な第一原理計算も実行した。
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Research Products
(3 results)