2011 Fiscal Year Annual Research Report
分化、脱分化時の細胞におけるレトロトランスボゾン因子の役割
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10F00782
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
CARNINCI Piero 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FORT MatthewAlexandre 独立行政法人理化学研究所, ゲノム機能研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | transcriptomics / non-coding RNA / retrotransposons / stem cells / pluripotency |
Research Abstract |
2011年度はトランスクリプトミクス・データ作成に重点的に取り組んだ。マウスとヒト由来の胚性幹細胞と人工多能性幹細胞の12株の細胞とコントロールとして6個の分化した細胞から、細胞核、細胞質、クロマチン結合性RNA断片を準備。細胞核と細胞質のサンプルはそれぞれCAGE、CAGEスキャン、sRNA配列解析によって解析した。現在行っているトランスクリプトミクス解析は、幹細胞に特異的な発現パターンを持つ核内非コードRNAとレトロトランスポゾン因子(RE)転写産物の特定を目的としている。その後、インビトロでノックダウン網羅解析を行い、これらのncRNAの多分化調節の意味を体系的に確認する。 この最初のトランスクリプトミクス研究と並行して、ロバストなインビトロ機能喪失スクリーニングアッセイの確立を目的とした試験的なsiRNA網羅解析も行ってきた。Nanogプロモーター制御下でGFPを発現するマウスのiPs細胞株をモデルに選択。これらの細胞内では分化の際にGFP発現が喪失する。既存のCAGEデータから候補となる22個のncRNAを選び、そのためのsiRNAを設計し、一時的に導入。導入から48時間後に3つの幹細胞性マーカーの相対発現量をqPCRによって測定、大容量自動蛍光イメージング装置(Cellomics ArrayScan、Thermo Scientific)でGFPの強度をモニターし、これらの細胞の多分化状態に対するsiRNA摂動の影響を分析した。 この試験的網羅解析の結果、テストした22個の候補の大多数を効果的にノックダウンできたことから、非コード転写候補因子を摂動させるsiRNAの選択が正しかったことを確認。また、これによって、幹細胞性マーカーのためのqPCRを読み出しとして使いながら、このアッセイの再現性をテストすることができた。少数の候補を網羅解析するだけで、ノックダウンによってNanogまたはSox2のどちらかの発現が減少する4つのncRNAを特定できたことは注目に値する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は、研究の初年度の研究計画の目標に達した
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Strategy for Future Research Activity |
提案された研究計画をフォローしていきます。
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