2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際協力と開発 : 最貧国の持続可能な開発の課題について
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10F00790
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HASABA Sarah 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | 識字学習 / 成人学習 / 識字学習プログラム / 識字能力とコミュニティ開発 |
Research Abstract |
2011年6月24日から7月24日までケニアへ出張して、現地調査を行った。ケニア西部のNakuru、Nyahururu、Eldama、Ravine、Naivashaの4地域を研究対象とした。41名の女性と40名の男性から成る回答者にインタビューを行った。このインタビューの回答者はケニア政府が教育部を通して行っている成人と生涯学習プログラムの参加者であった。訪問した各4地域の成人教育のオフィスは研究における識字教育クラスを確認するのに役立った。ケニアにおけるデータのインタビュー者の中で、一番若い回答者は男性が17歳で女性が19歳であった。一番年長の回答者は男性が80歳で女性が71歳であった。 回答者の大半が識字能力は基本的な人権であり、開発にとって不可欠なツールであるという強い見解を持っていた。識字能力は携帯電話といった技術的道具の使用や、投票、銀行取引、標識やその他の書類を読むにあたり必要であると同時に、個人の自信向上にも必要である。81名の回答者の内71名が、地域内の識字能力を改善するための識字能力プログラムにおける最優先事項は教育、読書、文章能力であったと強く確信していた。しかしながら、充分なリソースや動機不足は地域内の成人と生涯学習プログラムの効果の妨げとなっている。成人学習者の主な収入源は農業やインフォーマルセクターでの仕事によるものであり、その多くが公害、降水量不足、所得創出の限られた機会について懸念している。政府識字プログラムは学習者が特定の課題に直接対応できる助けとなる知識とスキルを積極的に提供し続けて行く必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウガンダの研究調査と同様、ケニアの訪問は研究における必要なデータを収集する別の機会を与えてくれた。ウガンダにおいては、政府識字プログラムと選定された研究所で活動している開発機関からデータを収集したが、ケニアにおいては必ずしも同じではなかった。ケニアで収集したデータは、主に政府の成人と生涯学習プログラムと識字学習サービスを提供している一宗教的社会奉仕活動団体からのデータであった。しかし、ケニアで収集したデータはその性質に関わらず、ウガンダでのデータとの比較分析に大変有益であり、報告書に提示してあるとおり、どちらのデータも雑誌論文を書くにあたり大いに役立った。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査研究に関してはベトナムが最後の研究場所となる。現地における初期のコンタクトは確立されており、現在も継続中である。自身の研究案、研究計画、質問票は研究アシスタントと共有している。しかし、自身の研究費の規模から、希望していた全ての情報にアクセスすることができないかもしれないという連絡を受けている。研究アシスタントは2012年の5月中旬から6月初旬に都合がつくため、データ収集のためのベトナム訪問も同時期に行うことを予定している。
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