2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00801
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五斗 進 京都大学, 化学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIRWAN G.M. 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 変数選択 / オミックスデータ / OPLS / 偽発見率 / システム生物学 / t検定 / 循環器疾患 |
Research Abstract |
動脈硬化などに代表される循環器疾患では、その発症メカニズムの解明と治療法の確立が大きな課題となっている。本研究では、循環器疾患の発症メカニズムを解明するための、複数オミックスデータ解析法を開発することを目的とする。平成22年度はトランスクリプトームやメタボロームを始めとする網羅的発現データを解析する手法の開発を進めた。網羅的発現データを解析する際の問題点の一つは、計測された発現量のうちどこまでが有意に発現しているかという閾値の設定が困難なことである。これまでは経験的に閾値を決めていたが、偽陽性や偽陰性の問題が常につきまとっていた。そこで、有意に発現している分子を同定するための方法を確立するために、従来から使用されていた偽発見率(FDR : False Discovery Rate)やt-検定などの線形モデルに加え、OPLS (Orthogonal Partial Least Squares)回帰モデルを検討した。これらを実際にマイクロアレイ遺伝子発現データに適用し、FDRでは偽陰性が、t-検定では偽陽性がそれぞれ大量に得られる場合に、ちょうど中間的な結果を得ることができた。そこで、OPLSを要望な方法論の一つとして、様々なデータへ応用してきたが、閾値をどのように決定するかという問題を解決するためには、さらなる改良が必要であることが判明した。現在は、ランダムなシミュレーションデータを作成し、その中での正解セットを定義することによりパラメータ設定を効率よく行うための方法を開発している。脂質メタボロームデータのためのパスウェイデータ作成については、実際に解析することのできる脂質メタボロームデータの公開に時間がかかることが判明したため、平成23年度以降の課題とすることとした。
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