2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本産渦鞭毛藻プロトセラチュウム・レティキュラトゥムの天然と培養での形態変異
Project/Area Number |
10F00805
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松岡 數充 長崎大学, 環東シナ海海洋環境資源研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MERTENS Kenneth N 長崎大学, 環東シナ海海洋環境資源研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 渦鞭毛藻シスト / Protoceratium reticulatum / Operculodinium centrocarpum / Spiraulax kofoidii / 塩屋湾 / 羽路内海 / 発芽培養実験 |
Research Abstract |
日本周辺海域での渦鞭毛藻Protoceratium reticulatum (=Operculodinium centrocarpum;シスト名)の遊泳細胞及びシストを収集する目的で,沖縄県本部半島周辺の羽路内海及び塩屋湾で投げ込みしきコアラーを用いて11地点より表層堆積物試料を採取した.試料にはOperculodinium israelianum, several Spiniferites spp., Lingulodinium machaerophorum, Votadinium calvum and Operculodinium centrocarpumなど多くのパリノモルフが含まれていた. とりわけ豊産した大型球形で,無色のシスト壁を持ち,多数のtapering突起を備えた生シストについて,発芽培養実験を行ったところゴニオラックス類Spiraulaxと同定できる遊泳細胞を得た.このシストはこれまでに東南アジアの熱帯から亜熱帯海域の表層堆積物からしばしば検出されていたが,その遊泳細胞は不明であった. 採取した試料に含まれていたLingulodinium machaerophorumやO.centrocarpumの表面装飾物である刺の長さを測定したところ,それらの長さは日本周辺での他海域のそれと比較すると短いことから,刺の長さそのものは従来から考えられていた塩分のみに影響されるのではなく,水温も規制要素の一つであると推察できた.
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