2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00814
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
市川 結 信州大学, 繊維学部, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BANOUKEPA G.D. 信州大学, 繊維学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 導電性高分子 / カーボンナノチューブ / PEDOT : PSS / 有機エレクトロニクス / ITO / 有機太陽電池 |
Research Abstract |
【目的】有機ELや有機太陽電池(OPV)などの有機デバイスに期待される重要な特性としてフレキシブル化が挙げられる。フレキシブル化は素子のユビキタス化,ウエアラブル化など,ユニークな展開を可能とする共に,生産の超低コスト化の点でも重要である。例えば,太陽電池などがプラスチックフィルム上にロール・トゥ・ロールプロセスで連続的に大量に作製できるようになれば,再生可能エネルギーのコスト競争力は飛躍的に向上する。そのために,通常ITOが用いられる透明電極の印刷対応とフレキシブル化が重要であり,従って,高分子電極材料の研究が重要である。本研究では,高分子電極の検討とそのデバイス応用を目的とする。導電性高分子はフレキシブル電極材料として有望であるものの単体では導電性が不十分である。本研究ではポリチオフェン系導電性高分子であるPEDOT : PSSを用い,カーボンナノチューブ(CNT)やその他添加剤による導電性向上を計る。また,仕事関数も重要な電極物性であり,CNTや添加剤による仕事関数制御についても検討する。開発する導電性高分子電極を用いたOPV作製とその最適化を行う。 【結果】PEDOT : PSS組成液へのカーボンナノチューブ(CNT)の分散について検討した。分散に必要な超音波分散装置を購入し,超音波出力,照射時間を変化させ,分散状態に与える影響を調査した。その結果,CNTの凝集が起こりやすいCNT高濃度時ほど,超音波照射による分散性向上が効果的であることがわかった。また,ジメチルスルホキシド(DMSO)を分散補助剤として添加したとき,超音波分散がより効果的であることがわかった。DMSO分散助剤と超音波照射を併用した分散液に超遠心分離を施すことにより,アイソレートされた単一CNT分散液を調製できた。
|