2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00825
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中野 伸一 京都大学, 生態学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WALL A.A. 京都大学, 生態学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 古陸水環境 / 有殻アメーバ / 底泥 / 琵琶湖 / 生態 / 微生物 / 溶存酸素 / 温度 |
Research Abstract |
本研究では、Oldest Dryas寒冷期、Bolling/Allerod温暖期,Younger Dryas寒冷期、Preboreal期の各気候期における古Lautrey湖のアメーバの組成を明らかにし、さらにはアメーバの殻の蓄積速度を見積もる。さらに、「アメーバに供給される有機物の質的・量的変化が、アメーバ現存量・組成を決める重要な環境要因である」の仮説に基づき、琵琶湖底泥のアメーバの現存量と組成、ならびに関連の環境項目の測定を行い、アメーバの生態と環境条件との対応について包括的な研究を進める。以上の結果から、さまざまな指標を用いて多角的な古気候解明を行い、陸上植生相の変遷との比較から水圏の有殻アメーバ組成の方がより鋭敏に気候変動に対応して変化していることを示し、現在までに解明された古気候を再構築する。2011年1月より、毎月1回の頻度で、琵琶湖北湖と南湖の底泥を採取した。採泥を行う地点は、京都大学生態学研究センターが1965年以来定期観測を行っている北湖の1地点、および南湖の中央地点である。底泥採取は不撹乱柱状採泥器を用い、得られた底泥コアサンプルを0.5から1cm間隔でスライスし、それぞれを別々にアメーバ現存量・組成測定用サンプルとした。また、採泥を行った地点の陸水学的情報(水温、pH、溶存酸素、クロロフィル濃度など)を取ると同時に、水柱中のアメーバの現存量と組成も調べるために、鉛直的に採水を行い、サンプルを採取した。得られたサンプルについて、検鏡あるいは分子生物学的手法によりアメーバの現存量と組成を調べ、同時に関連する他の微生物(細菌、小型原生生物など)の現存量と組成も検鏡あるいは分子生物学的手法により調べている。さらに、アメーバの永久標本を作成し、琵琶湖博物館に保存されている標本との比較を行う予定である。
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