2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J00089
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡邊 秀和 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教
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Keywords | ねじれ振動 / 構造スリット / 鉄筋コンクリート造梁 / 二次壁 / FEM解析 / 初期剛性 |
Research Abstract |
過去の地震被害状況を調べてみると、平面的に不整形な建物では、偏心によるねじれ振動が原因となり崩壊したケースが多く見受けられる。ねじれ振動を伴った建物の挙動は並進振動よりも複雑な振動特性であり,その崩壊メカニズムは十分に解明されていない。また,1981年に施行された新耐震基準では,偏心構造物の平面内でのねじれ易さを表す指標として偏心率を定めている。この偏心率とは,構造物の弾性範囲の挙動により定められたものであり,塑性化後の偏心構造物のねじれ易さを表すものではない。今まで非線形領域を含めたねじれ易さを表す指標は提案されているものの,統一的な見解には至っていないという問題がある。 本研究で得られた成果を以下に示す。本研究では2000年に実施された振動台実験の結果を基に,二層偏心骨組について,最大応答層間変形と最大応答層間回転角の関係を整理することを目的として三次元非線形フレーム解析を実施した。特に,実験では梁を剛体としているのに対し、実際の構造物の現状に合わせて梁が剛体ではないモデル作成し,比較を行った。この解析結果により,構造物の塑性化に伴い、一層と二層の最大応答層間変形と最大応答層間回転角の傾きが近づく傾向が見られた。本研究では、非線形領域におけるねじれ応答性状の力学的性質について知見を得ることが出来た。
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