2010 Fiscal Year Annual Research Report
スペシャルラグランジュ部分多様体のモジュライ空間の研究
Project/Area Number |
10J00699
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今城 洋亮 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スペシャルラグランジュ部分多様体 / 張り合わせ / 一意性 / 幾何学的測度論 |
Research Abstract |
リーやジョイスは2つのスペシャルラグランジュ部分多様体の横断的な交点にローラーネックを貼付けることにより別のスペシャルラグランジュ部分多様体を構成した。私はその張り合わせ方の一意性を研究している。すなわち、あるスペシャルラグランジュ部分多様体が横断的な交点の外では元の2つのスペシャルラグランジュ部分多様体に近く、横断的な交点の周りではローラーネックに近ければ、そのスペシャルラグランジュ部分多様体はリーやジョイスの構成したものであることを証明しようとしている。現在、ほぼ完成しており、最後の確認をしている。 以下、証明のアイデアを述べる。もし考えているスペシャルラグランジュ部分多様体がある函数のグラフとして表されれば、その函数は楕円型偏微分方程式の解であり、しかも最大値の原理が適用でき、一意性が得られる。 ゆえに一意性を証明するためには、グラフ表示できることをいえばよい。 そこで、幾何学的測度論におけるサイモンの定理の類推を行おう。サイモンは極小部分多様体の孤立特異点における滑らかな接錐は一意であることを証明した。サイモンは無限に長いシリンダーを考えているが、われわれは有限の長さのシリンダーを考えなければならない。有限の長さのシリンダー上でエネルギーを定義するためにホッファーの擬正則曲線のバブル解析のアイデアを使う。エネルギーをうまく定義できれば、サイモンの方法が適用でき、有限の長さのシリンダー上でもグラフ表示できることが証明できる。以上が一意性の証明のアイデアである。
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Research Products
(8 results)