2011 Fiscal Year Annual Research Report
スペシャルラグランジュ部分多様体のモジュライ空間の研究
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10J00699
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今城 洋亮 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スペシャルラグランジュ部分多様体 / 幾何学的測度論 |
Research Abstract |
スペシャルラグランジュ部分多様体はCalabi-Yau多様体のラグランジュ部分多様体かつ極小曲面である。Mcleanの定理によりコンパクトスペシャルラグランジュ部分多様体全体Mは有限次元多様体の構造を持つ.幾何学的測度論を用いてMをコンパクト化することができる.しかしコンパクト化された空間Vの構造はほとんど知られていない.私はV-Mの点で最も単純なものNを選び,Nの近傍を詳しく調べた(正確にはNの近傍は境界付多様体の構造を持つ). 上に述べたNとは3次元コンパクトスペシャルラグランジュ部分多様体で1点のみに特異点を持つものである.特異点においてNは滑らかな重複度1のtangent coneを持つと仮定する.またtangent coneの断面はClifford torusであると仮定する.この場合にはNの特異点を貼り合せにより解消できることがJoyceにより証明されている.Joyceの貼り合せはしかるべきモジュライ空間からMへの写像とみなされる(Mの定義は上にある).その写像がMの座標に拡張できることを私は証明した.証明にはL.M.Simonの手法を用いた.Simonの手法により孤立特異点の周りのスペシャルラグランジュ部分多様体をgradient flowのように扱うことができる.今の場合、Bott-Morse函数のgradient flowのように扱うことができる。 (これはClifford torusがJacobi-integrableであることの帰結である。) 実際にはSimonの方法を用いるためには、しかるべきエネルギーを定義しなければならない。私はエネルギーを定義し、スペシャルラグランジュ部分多様体のバブル解析を行った。また,Joyceの貼り合せに用いる局所モデルの一意性を証明しなければならない.ここではClifford torusが非常に高い対称性を持つことを用いた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的は達成された。上記の研究業績の概要参照。しかし上記の定理を適用できる具体例がないことが問題である。すなわち上の記号を用いればNの具体例がない。このことに関しては下記の今後の研究の方針参照。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のNに最も近い例はAurouxの例である。 しかしAurouxの例を扱うためには特異点集合の次元が1である場合を考えなければならない。 特異点集合の次元が1であるスペシャルラグランジュ部分多様体の変形理論、貼り合せの理論を私は今のところ構築しようとしている。
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