2010 Fiscal Year Annual Research Report
コレステリック液晶の配向制御とレーザーデバイス応用
Project/Area Number |
10J00859
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 曜 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | コレステリック液晶 / コレステリック液晶レーザー / DFBレーザー / DBRレーザー / 色素 |
Research Abstract |
コレステリック液晶は一次元螺旋周期構造を有するため、光を閉じ込める、あるいは反射させる光学特性を示す。コレステリック液晶をレーザーデバイスとして応用する場合、前者の性質を利用するDFBレーザーが一般的であるが、この場合、液晶に溶けない発光体(通常は色素)は利用することができない。これに対し、後者の性質を利用したDBRレーザーの場合、コレステリック液晶層と発光層を分離することができ、全ての発光材料を利用できるため、特性の改善が見込まれる。そこで我々は、DBR型のコレステリック液晶レーザー素子を設計・作製し、レーザー発振特性を解析した。 DBR型コレステリック液晶レーザー素子として、2枚のコレステリック液晶ミラーにより、色素を分散させたイオン液体の発光層を挟んだものを作製した。ここで、色素は一般的なDFB型コレステリック液晶レーザーでは利用できないが、量子収率が95%程度と発光能力の高い色素であるローダミン6Gを用いた。 従来のDFB型コレステリック液晶レーザーのエネルギー変換効率は11%程度であったが、本研究で作製したDBR型コレステリック液晶レーザーでは16%で、およそ1.5倍に改善された。この改善は、発光能力の高い色素を利用したことに起因しており、発光材料の選択に制限のないDBR型コレステリック液晶レーザーは、変換効率改善に効果的なデバイス構成であると考えられる。今後さらに高量子収率量子ドットなどの発光材料を利用することで、効率の改善が期待される。
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Research Products
(9 results)