2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J01005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
谷口 雄一 独立行政法人理化学研究所, 佐甲細胞情報研究室, 特別研究員(PD)
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Keywords | 1分子・1細胞生物学 / 生物物理学 / システム生物学 / 超高感度顕微鏡技術 / 微細加工技術 / 生命反応の物理 |
Research Abstract |
膨大な数の遺伝子により制御された複雑な細胞生命。そのメカニズムを包括的に理解することを目指して、遺伝子情報を網羅的に解析するオミックスの技術開発が近年急速に進展している。2003年にヒトゲノムが完全解読され、現在ではゲノム解読の高速化・低価格化が注目を集める一方で、その発現産物であるトランスクリプトームやプロテオームを解析するための技術開発が注目されている。申請者は今年、1分子顕微鏡法を応用することにより、単一生細胞内におけるプロテオームとトランスクリプトームを単一分子感度で検出することに世界で初めて実現した。 ひとつひとつの細胞では、内在するmRNAとタンパク質は常に乱雑に変動している。こうした細胞のノイズは、多くの生物プロセスの発現に重要であり、細胞の分化や異質化を誘導したり、環境変化に対する生物種の適応度を高めたりしていると考えられている。申請者は、単一分子・単一細胞プロファイリング技術を用いて、この生物の大きな特徴ともいえる細胞ごとの遺伝子発現の乱雑さをプロテオームおよびトランスクリプトームワイドで定量化し、そのゲノムに共通する様々な性質と、その背景にある物理的法則を明らかにした。 本研究で構築した技術とその方法論は、2010年のNature Methods誌において、「1分子生物学とシステム生物学とをつなげる」初めて技術であるとして紹介された。つまり、1分子とシステム両方のレベルからの網羅的分子情報を取得できるこの技術は、複雑な階層性をもつ生命の仕組みを分子・細胞相互のスケールから理解できる手法として期待されている。ひとつひとつの細胞にある分子数の確率的変化を絶対感度で捉えることが可能であるため、様々な生物学的問題にも将来的に応用できる可能性を秘めている。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Quantifying the Escherichia coli proteome and transcriptome in a single cell with single molecule sensitivity.2010
Author(s)
Taniguchi, Y., Choi, P.J., Li, G., Chen, H., Hearn, J., Babu, M., Emili, A., Xie, X.S.
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Journal Title
Science
Volume: 329
Pages: 533-538
Peer Reviewed
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[Presentation] Quantifying the Escherichia coli proteome and transcriptome with single-molecule sensitivity in single cells.2010
Author(s)
Taniguchi, Y., Choi, P.J., Li, G, Chen, H., Hearn, J., Babu, M., Emili, A., Xie, X.S.
Organizer
第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
Place of Presentation
神戸ポートアイランド、神戸
Year and Date
2010-12-09
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[Presentation] Quantifying the Escherichia coli proteome and transcriptome with single-molecule sensitivity in single cells.2010
Author(s)
Taniguchi, Y., Choi, P.J., Li, G., Chen, H., Hearn, J., Babu, M., Emili, A., Xie, X.S.
Organizer
第48回日本生物物理学会年会
Place of Presentation
東北大学、仙台
Year and Date
2010-09-21